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デザインにあたって
ヴィラ・クレーンズは北海道阿寒郡鶴居村にある別荘施設です、敷地は北にはマリモで有名な阿寒湖、南には釧路湿原のある根釧台地に位置しており、この地の雄大な丘陵地帯に広がる牧草が見渡せる風光明媚な場所にあります。別荘施設には源泉掛け流しの露天風呂、サウナ、岩盤浴などリラグゼーションにとても良いスパ施設となっています。ガーデンを挟んだ遠景には雄大な牧草地に風景には野生のシカ、タンチョウなどが訪れる自然豊かな景観が印象的で。今回のガーデン及びランドスケープデザインの目標は、このような雄大な背景に馴染むよう野趣溢れる植栽とダイナミックな設計を心がけました。
ヒューマンスケールの重要性が謳われるなか、ここではヒューマンスケールを考察を元にして雄大な自然の中の一部であることを大切に設計を行いました、よって安心な空間でありながら自然との一体感が損なわれないデザインとなりました。またメドウガーデンを配することによって、自然と人との接点を和らげる効果を図り成功することができました。それぞれの分野のエキスパートが大自然、ガーデン、ヴィラの施設の調和を考えコラボレートして設計を行えたことによってここを訪れた人々が安心して、野趣溢れるランドスケープを楽しんでいただけてることが達成できました。
文:木野花園計画 CEO ランドスケープデザイナー 柏倉一統
所在地:北海道阿寒郡鶴居村
面積 :3ha(ガーデン部1ha)
フロントガーデン
フロントガーデンには背景にある薪炭林に馴染むよう、自生種の樹木を中心に植栽計画を行いました。ガーデンの入り口になるファサードにはモンタナマツとシラカンバ”ジャックモンティー”を植栽し山間部の別荘の景を模した。
メドウガーデン
メドウガーデンは、2年間ほどこの土地の植生調査を行い自生種を探し出し、その自生種の属や種を基本に園芸種に置き換えて植栽設計を行うようにしました。また、育種家のアドバイスを受けてタネが広がらないものを選抜し、それを行ったことによって景観に馴染み、外来種の繁茂を軽減する植栽設計を行った。このガーデンが存続していくなかで、元々の自然景観を損なわないようになっている。
パーゴラ
ゲート状のパーゴラを設置することによって、牧草地の風景とメドウガーデンの接点を創出した。このゲートは晴天時には雌阿寒岳を望むことができるようになっており、山からの澄んだエネルギーをガーデンや訪れた人々に与えている。
ファイヤーピット
ヴィラ・クレーンズ内にある鉄板焼きのお店から、またカフェから食事後に憩えるようファイヤーピットを設置した。詳細デザインは神谷造園。
基本設計・デザイン:木野花園計画 柏倉一統
基本設計・植栽設計:未季庭園設計事務所 佐藤未季
ランドスケープ施工:真鍋庭園緑化
ファイヤーピット・詳細設計・施工:神谷造園
ステンドグラス:株式会社グリーンミントオフィス
ローズアドバイス:デビット・オースチン・ロージズ社
電気;有限会社光陽電気
金属加工、看板:有限会社ワタナベ工芸
宿根草:どれみふぁ・空
建築設計:金田博道建築研究所株式会社
建築施工:株式会社サトケン
デザイン画
第1案メドウガーデン
初期のコンセプトデザイン、ながれるようなメドウガーデンを設計した。
第1案フロントガーデン
林縁の木漏れ日溢れる演出を行った。
第1案メドウガーデン平面図
第2案メドウガーデン スケッチ
2018年3月9日
Kino Garden Project Co, CEO, Kazuto Kashiwakura